耳なし芳一 ２

耳なし芳一

THE STORY OF MIMI-NASHI-HOICHI

Earless Hoichi

2

「耳なし芳一」

2

壇ノ浦へ身を投げる女子供

Water into suicide to Dan-no-URA sea

高橋　伽観

2016.9 ~11

その昔、「平家にあらずんば人にあらず。」と言われた

平家の隆盛も衰えを見せはじめ、

世は源氏と平氏とに分かれて大きな戦を繰り広げました。

動きだした時の勢いは源氏にあり、

度重なる合戦の後に源氏は勝利を収め、

ついに平家一門は滅亡したのでした。

戦で命を落とした武士だけではなく、

幼子を抱いた女も次々海へと身を投げて、

一族郎党みなが死に絶えたのです。

　その最後の合戦場となった壇ノ浦では、

夜毎に亡霊が船を沈め、亡者の顔をした蟹が歩き回りました。

　平氏の亡霊に悩まされた人々は。

妄執に囚われ成仏できぬ死者のの道行きの助けにと、

壇ノ浦を見下ろす場所に、阿弥陀寺を建立しました。

３へ続く